今年(2006年)3月に訪問したクフル木材専門学校はオーストリアの木材産業の職業訓練学校で、今年で創立65年を迎える。DrM・E・Bojanovsky校長の案内、創立当初は製材工場の技術者を養成する目的で設立された。
私設の高等専門学校(オーストリア木 材産業協会が、理事になっている)で組織はオーストリア木材産業の750事業所から3人の理事が選出され運営されている。ビズナー校長(3人の理事の1人り)は理事と相談して教育プログラムを決め、学校運営を行なっいる。
敷地は35000m2、生徒数800名、教職員 160名(教員の給与は国費で負担)の外に750事業所から指導員が派遣される。可能な限り実業の現場に沿った教育をしている。
教育カリキュラムのレベルは非常に高く、現場の最先端の技術と理論を指導することを目指しており、企業の第一線で指導をしている技術者と教育プログラムを一緒に組んで最新の技術指導をする。卒業後に指導員を派遣している企業へ多くの学生が就職している。
教育プログラム は4つの内容から構成されている。
- 一般教養、外国語(英語・イタリア語・ロシア語)
- 機械技術(機械操作・メンテナンス)
- マネジメント(経営学)
- 木材 関する専門的な知識全般である。
教育プログラムの中でも特に木材利用については植林・育林・伐採から始まり製材、加工と最終的には家具・住宅建築に至る迄の全ての教育、例えばオーストリア初の木造4階建て建築もこのクフル高等職業専門学校の校舎で、木造4階建て建築のテスト建築と教育を兼ねて建てられた。この校舎の建築を契機にオーストリアでは建築法規が改正された。
この学校はオーストリアには1校だけで、学生はオーストリアの全土とイタリア北部、ドイツ南部からも入学している。学生の内、約半数の400人は寮で生活している。残りの400名の学生は自宅からの通学と近くに下宿し、学校に通っている。学生生活の中では、特に寮生活の体験が大切で団体生活を通して自己主張や周りの仲間との折り合い等、人間性を高める為に良い教育だと考えている。
授業料・寮費も含めて学生一人、年間で5000ユーロで自宅通学は2000ユーロになる。学校運営には、この授業料の外に国、ザルツブルク州、クフル市からも補助金が出ている。
また、木材産業協会からは協会資金の外、各企業の現場実習に給与が支払われており、この給与も大切な学校運営費として組み入れられている。学校運営は年間280万ユーロの予算て行なっている。
この学校から高いレベルの卒業生が各企業に就職するので、学校運営に参画している木材産業協会の企業は、多くの資金を提供してくれる。学校へ入学する生徒は14歳からで3・4・5年のコースが有りこの内3・4年コースの卒業者は就職(大験も受験可能)者が多く、5年コースの卒業生は高等学校卒業の資格が与えられ大学へ進学するか新たに4年間の専門課程がある。
このクフル(クチ)市に65年前、学校を創設した経緯は学校建設の計画が始った時に関係者で相談があって、オーストリアの地理的に中心で建設することに決まり、現在の場所からは5Km離れたゴーリング市へ建設用地を頼んだが当時は製材業のイメージ(製材は軍隊より悪い)が悪く誘致を 断られて、現在のクフル市に建設した。
